高齢者の中には心の不調を訴え、神経症傾向のある人が多い現状があります。
高齢者が何度も身体面の不調を伝えてきた場合、病気ではないから問題ないと頭ごなしに否定せずに、話をしっかりと聞いてあげるようにしましょう。

その際、話を聞くときの態度や姿勢にも注意が必要です。
高齢者が抱えている悩みや気持ちを受け止めて、心から共感して向き合うようにしましょう。

「話を聞いてあげればいいだろう」という軽い気持ちで対応しても、高齢者の心のケアにはなりません。
高齢者の話すペースに合わせて、心を通わせながら聞くことが大事です。

また、高齢者とうまくコミュニケーションを取るには、声の大きさや話すスピード、抑揚の付け方などを相手に合わせて調整する必要があります。
話し方を相手に合わせることで誠実さが伝われば、深い信頼関係を築くことができます。

うつ病の症状がある高齢者に対しては、あまり心配しすぎずに自然な態度で接することが大切です。
極端に励ましたり原因を追究したりせずに、ゆっくりと休ませて心を落ち着かせましょう。
距離を置いて見守ることも時には大事です。

うつ病は医師の指示に従って薬を利用することで改善させることができる病気です。
もし、高齢者と関わる中で、今までにない違和感を感じた場合は、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。

ただ、高齢者の中には、うつ病という病気に対して誤解を抱いている人もいます。
医療機関の受診を拒否されることもあるかもしれません。
そんな場合は、うつ病は誰でも発症する可能性のある病気であり、治療によって改善されることを伝えましょう。